修行不足かな

2004年7月31日
7月が終わる。

子供の頃 転勤族だったわたしの家は 8月から新しい土地に移り住むことが
多かった。
北から南へ 南から北へ・・・
この時期の移動は 気温の変化が激しく もう以前の土地ではない ということが
身をもって思い知らされたものだった。

見知らぬ土地で暑い日々を過ごす毎日は 子供には かなりストレスが
たまった。
たったひとつ良いことがあった としたら 夏休みの宿題 というものが
自然消滅したことだけだった気がする。
出題した先生はこの土地にはいないから 前の学校では宿題はなかった と言い張った(笑)。 

見知らぬ土地といえば 今もそう。
街角で 偶然 誰かと久しぶりに出会う という可能性はない。

今日の夕食は あるパスタ屋さんに入った。
ひとしきり食事が終わってくつろいでいたら
隣の席に 女性が一人座った。
わたしからは 真横になるので はっきりと見ることはしなかった。

彼が 食後の満腹感から 眠そうにしていたとき 突然 その隣の女性が
彼に話しかけてきた。

「○○さん?わたしのこと 覚えています?」

彼は 一瞬にして目が覚めたみたいで 目を大きく見開いて 彼女をみつめなおした。

「・・・○ちゃんでしょ?」

二人の会話を聞いていると どうやら 彼の同僚の娘さんらしい。
彼が知っているのは 小学生だった彼女。

「いくつになったの?」

「ハタチです。」

「もう そんなになったのか〜。」

小学生だった彼女と「大きくなったら一緒に飲みに行こうね。」
と約束していたらしい(笑)。

彼は 隣に彼女がいる状態で わたしとこれ以上会話するのは
気恥ずかしいらしく すぐにお店を出た。
わたしも 彼女に軽く会釈をして あとに続いた。

近くのお気に入りの喫茶店で コーヒーを飲みながら
さっきの出会いの話をしていた。
彼は しきりに感心している。

「時の流れを思い知らされるよ」

わたしの知らない彼を浮かび上がらせたせいか ちょっぴりさみしい。
まだ 知り合ってもいなかった頃。
彼の過去までも自分のものにしたい というわがままな気持ち。

それと・・・社交辞令とはわかっていても
目の前で「今度飲みに行きましょう」なんて約束をかわすのを
みると ばかだなぁ とは思いつつも 心はざわざわ(苦笑)。

ただ笑顔で隠すしかなかった。

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