逆プロポーズ?

2004年1月18日
昨夜 熟睡したとばかり思っていた彼が 日付がかわるころに
起き出してきた。
すっかり昼夜逆転の生活(笑)。

最初は ごくいつものような話をしていた。
そして 次第に転勤先の話になっていった。

(今 言わなくちゃ。。。)
 
確認するかのように 話し始めた。
 
『本当に転勤先についていっていいの?
 旅行じゃなくて一緒に住むということだけど?』
 
「かまわないよ。」
 
『じゃあ 一緒に住んでいくうちに いずれは
 籍を入れることとか 考えている?』
 
「…考えたこともなかった。」
 
・・・やっぱりね(苦笑)
 
『じゃぁ・・すぐ というわけじゃなくていいから
 考えてみてくれませんか?(照)』
 
わたしなりの精一杯の言葉。
かっこいいシチュエーションも飾った言葉もない。
というか そんな言葉じゃ伝わらない気がした。
 
そして そう思う理由を言った。
 
別に籍を入れたから入れないから というのが
意味があるわけじゃないけれど わたしには
免罪符のようなものが欲しいの。
転勤先にまでついていって 一緒に住んでいて
ご両親が“どうしてこの人(わたし)が一緒に住んでいるの?”
と不思議に思われないだけの理由。
わたしの両親が“どうして転勤先についていくの?”
とギモンに思わない理由 そういう社会的に認められるものが
欲しいの。
 
そこまで一気に言ったけど 彼はしばらく黙っていた。
わたしも それ以上は 何も話すことがない。
やっぱり拒絶?困惑?
 
沈黙が続いたあと 少しずつ彼が話をはじめた。
その話は 一見 返事とはなんの関係もないことのように
思えた。でも 黙って聞いていた。
 
彼は入社してすぐに いわゆるエリート組になった。
ところが 2、3年後上司の左遷とともに
彼も左遷された。ただの左遷ではなく その会社では
おそらく最低の危険で単調な仕事。
ひょっとしたら労働基準法違反じゃないか という仕事。

そのことを 彼は 地獄を見た と言った。
それからは 価値観が変わった という。
わたしも その話は初めて聞いた。
そのときの彼を思うと 泣きたくなった。
 
彼は めったにないことだけど その地獄から這い上がってきた。
それからは 周囲の男性のように 合コンを楽しむ などということが
無駄な時間を過ごすことのように思えた。
それからの彼は 毎日を一日一日過ごしていくこと このこと以外
考えられないようになった。
先のことなどわからない と。
 
 
彼の言いたいことはわかった。
そして 以前から感じていたこと 普通のヒトと違って
彼は死を身近に感じている という理由もわかった。
 
わたしの以前の仕事は いわゆる3Kのうちの2Kくらいの仕事だった。
でも キケンではない。
彼がしていたのは どう考えても 3Kの最先端(笑)。
わたしには死への恐怖で 毎日が耐えられないだろう。
というか そんな仕事を 機械じゃなく人間にさせて
いたこと自体が信じられない。
今は その仕事自体がなくなった という。
 
いつどうなるかわからない仕事。
自分の生活の安定を手に入れるために
自分の生活のすべてを 仕事に集中させてしまった彼。
 
「自分は変人なのかもしれない。でもあそこでの経験が
 将来のことを考えられなくさせた。」
 
 
彼がこんなことを他人に話すのははじめてだという。
簡単に話せないくらい 彼の心に傷を作ったのだろう。
そして たぶん今でも その傷は癒えていない。
この話をすることが きっと彼なりの精一杯の答えだったのだろう。
 
キライとか好き の問題じゃない。
自分の中の欠けてしまった何か。
普通のヒトのように 将来を考えることのできなかった理由。
それを わたしに感じ取ってほしかったのだろう。
 
理解できたと思う。
そして それでも 彼の隣にいたい と思った。
彼が 話をしたことは 拒絶じゃない と思った。
 
はじめて 彼の心の奥に触れたような気がした。
 
ずっとずっと話をしていて
気がつくと 朝の6時になっていた。
 
 
ふと 沸き起こったギモン。
そんな風に仕事に集中していたはずの彼が どうして
わたしなんかと付き合うようになったのだろう?
たぶん 彼自身にもわからないだろうけど。
本能的に 彼の心は 癒しを求めている?
うーん 母性本能くすぐられちゃう(笑)。
 
さて 結果は というか結論は なんだったのかしら?(笑)
どうやら保留みたいです。
すぐに答えを出して欲しいわけじゃないから
気長に待ちます。
 
今回は わたしの考えを知ってもらえたこと
そして 彼のことを知ることができたこと
これでよし としますか。
 
第1ラウンド終了(笑)。
 

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