火の星
2003年10月6日会社をでると 月に 赤い火の星が
そっと寄り添っているように見えた。
たぶん 彼はまだ 今年の火星を 見ていないのだろう。
以前 彼の元を訪れたときに 彼の部屋から彼の会社まで
二人で歩いてみた。
ビルの隙間に ほんのひとかけら 切り取られた空。
色も 青いような 灰色のような はっきりしない色。
けれど 夜は 夜の街として 活気がある。
遅くまで輝いているネオンに お月様も 負けそうだった。
星の好きなわたしが 空を見上げるのを忘れた そんな街。
今 きっと 仕事で大変なときだよね。
夜空を見上げる どころじゃないよね きっと。
疲れ切って 下ばかり見て 歩いている様子が
目に浮かぶよ。
ときどき みせてくれるプレゼン資料。
あと もう少しで できあがるね。
がんばってね。
そして 彼に逢えるのも あと もう少し。
…わたしも がんばるね。
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